診療内容・特色

産科:妊娠中の母子感染症を予防するために

細菌やウイルス等の病原体が人間の体内に侵入し、発熱などさまざまな症状を起こす病気のことを感染症といい、妊婦さんが感染するとお腹の中の胎児や生まれてきた新生児に影響を及ぼす可能性があるものがいくつかあります。感染すると症状がでて妊婦さん自身気が付くものもありますが、胎児・新生児に影響を及ぼす感染症であっても、自覚症状が乏しい場合も少なくありません。

当院では、風疹、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、AIDS、成人T 細胞白血病、トキソプラズマについては妊婦健診の際に血液検査を、クラミジアやB 群溶血性連鎖球菌については分泌物の検査を実施しています。 それ以外の感染症(サイトメガロウイルスなど)についての検査は、希望があれば任意で施行しています。検査をご希望の方は医師に申し出てください。

母子感染を予防するために日常生活で注意しておいたほうがいい点がいくつかあります。母子感染の原因となる病原体に限らず、インフルエンザを含むすべての感染症の予防に最も簡単で有用なのが手洗いです。また、加熱が不十分な肉や肉の加工品には有害な細菌や寄生虫(トキソプラズマ等)が含まれている可能性があるので、十分な加熱調理を心がけましょう。さらに、性行為で感染する母子感染もありますので、妊娠中の性行為はコンドームを正しく使用しましょう。

ワクチンが存在する感染症(たとえば、風疹、麻疹や水痘)は、ワクチンを打つことで防げます。
自分が病気にならないため、健康を保つため、将来の自分の胎児を守るため、また周囲にいる妊婦とその胎児に感染させないためにも、ワクチンを打ちましょう。
現在妊娠している方は、出産後、なるべく早く次の妊娠までの間にワクチンを打ちましょう。

参照:トーチの会 http://toxo-cmv.org

 

赤ちゃんとお母さんの感染予防対策5ヶ条

日本周産期・新生児医学会
日本産婦人科学会

風疹ウイルス 、サイトメガロウイルス、B 型肝炎ウイルス、トキソプラズマなどの微生物は、妊娠中、分娩中、または産後に、お母さんから赤ちゃんに感染して、赤ちゃんが病気を起こすことがあります。

感染予防対策について、正しい知識を身につけておくことが大切です。

1 妊娠中は家族、産後は自分にワクチンで予防しましょう!

風疹、麻疹、水痘、おたふくかぜは、ワクチンで予防できます。(注1)ただし、妊娠中はワクチンを接種できません。特に風疹は、妊娠中に感染すると、胎児に先天性風疹症候群を起こすことがあります。妊婦健診で、風疹抗体を持っていない、あるいは抗体の値が低い(注2.3)場合は、同居の家族に麻しん風しん混合ワクチン(MR ワクチン)を接種してもらいましょう。(注4)

注1:妊娠中でもインフルエンザ不活性化ワクチンは安全かつ有効とされています
注2:HI 法で16 倍以下、EIA 法で8IU/ml 未満
注3:妊娠中の麻疹、水痘、おたふくかぜの感染の赤ちゃんへの影響はまだわかっていません。
妊娠前や産後に抗体で検査し、抗体を持っていない、または抗体の値が低いときは、ワクチンを接種することで感染を予防できます
注4:MR ワクチンが推奨されるのは、麻疹に感染すると流早産の可能性があり、しかも若年成人の麻疹抗体保有率が低いためです

2 手をよく洗いましょう!

手洗いは感染予防に重要です。特に食事の前にしっかり洗いましょう。
調理時に生肉を扱う時、ガーデニングをする時、動物(猫など)の糞を処理する時などは、使い捨て手袋を着けるか、その後、丁寧に手を洗いましょう。

3 体液に注意!

尿、唾液、体液などには感染の原因となる微生物が含まれることがあります。
ご自分のお子さんのおむつでも使い捨ての手袋を着けて処理するか、その後で丁寧に手を洗いましょう。また、家族でも歯ブラシ等は共有せず、食べ物の口移しはやめましょう。妊娠中の性生活ではコンドームを着用し、オーラルセックスは避けましょう。

4 しっかり加熱したものを食べましょう!

生肉(火を十分に通していない肉)、生ハム、サラミ、加熱していないチーズなどは感染の原因となる微生物が含まれることがあります。妊娠中は食べないようにしましょう。生野菜はしっかり洗いましょう。

5 人ごみは避けましょう!

風疹、インフルエンザなどの飛沫で感染する病気が流行している時は、人ごみは避け、外出時にはマスクを着用しましょう。
子供はいろいろな感染症にかかりやすく、子どもを介して感染する病気もあります。
時に熱や発疹のある子どもには注意しましょう。