不妊症
不妊症とは
以前は妊娠を希望して2年間妊娠に至らない状態を不妊症としていましたが、現在は健康な男女が約1年間避妊をせずに性交しているにも関わらず、妊娠に至らない状態を不妊症としています。さらに、医学的介入が必要と考えられるケースでは1年という期間は問わないということになっています。日本では妊娠の高年齢化がすすんでおり、2年間も経過をみることが時間の無駄になることを考慮して時期の短縮を決定した一因としています。妊娠の高年齢化は妊娠率を下げ流産率を上昇させます。35歳を過ぎて妊娠を希望される方は早めのご相談をおすすめします。 一般的に排卵日付近に避妊せず性交をして妊娠する確率は約20%で、理論上は3か月で約50%、6か月で約70%、1年以内には約90%の人が妊娠に至ります。不妊症の原因はさまざまですが、女性側と男性側双方に不妊症の原因があります。原因により対応が異なります。
検査
精液検査
不妊症の原因のなかで頻度が高く、最も重要で、負担の少ない検査ですので早期にチェックしておく必要があります。ご主人の来院の必要はありません。
排卵の質の検査
下垂体や卵巣のホルモン検査(血液)と超音波検査での検討です。
卵管の通過性
いろいろ方法はありますが、検査後の妊娠率の高さからみて、油性の造影剤による子宮卵管造影法が中心になります。
その他
内診、超音波検査、子宮鏡検査、腹腔鏡検査、抗精子抗体検査など、必要に応じておこないます。
治療
上記の検査で、当面の治療方針をたてますが、不妊の原因がすべて先にわかるわけではないので、状況に応じて比較的楽な治療から、期限を定めてその都度見直しながら、進めていきます。体外受精などの生殖補助医療は当院では扱っていないので、ご夫婦が早めに生殖補助医療を希望する場合やタイミングをとるだけではなかなか結果が得られない場合はこれまで当院で行った検査データを不妊クリニックに情報提供して専門的な治療を開始していただきます。