周期的な月経が発来すべき年齢の女性で、月経の周期や経血量に異常を認めることがあります。

正常な月経周期は周期日数が25－38日の間にあり、その変動は6日以内とされています。月経周期に異常をきたす原因はさまざまですが、子宮や卵巣、卵巣のホルモン分泌をつかさどる中枢神経に原因がないか調べます。検査は血液検査や超音波検査を行います。検査結果に基づいて、必要な治療を検討します。ダイエットなどによる体重減少やストレスなどによる一時的な変化のこともありますが、ホルモンの異常が持続している場合は内服薬で治療する必要があります。具体的な治療は、年齢や妊娠希望、各種検査結果によって異なりますので相談してください。

一般に月経の経血量は20-140gとされています。経血量が異常に多い場合を過多月経といいます。周りの人と比較することが難しいですが、月経の時にレバーのような血のかたまりが混じる、夜用のナプキンを1時間に1回変えないと間に合わないなどの自覚症状があれば、過多月経の可能性があります。
過多月経の原因には無排卵周期などホルモンの異常の他、子宮筋腫や内膜ポリープ、子宮腺筋症などがあります。過多月経を認める場合、超音波検査で子宮や卵巣の様子を観察します。過多月経による出血で鉄欠乏性貧血になることがあります。血液検査で過多月経による貧血を疑う場合には鉄剤の投与を行います。 出血が多い場合はホルモン療法によって短期的に止血することもありますが、周期的に繰り返す場合はホルモン製剤で月経周期を整える必要があります。内服薬の他、ミレーナの使用も効果的です。子宮筋腫や内膜ポリープの場合はそれぞれに対する治療が必要なことがあるため、相談しながら治療をします。

ミレーナはレボノルゲストレル放出子宮内システムといいます。約3㎝大のT字型の器具で、子宮内に挿入することでレボノルゲストレル（黄体ホルモン）が放出されます。黄体ホルモンにより子宮内膜を薄いまま維持することで、過多月経や月経困難症に効果があります。高い避妊効果もあり、挿入中は5年前後、効果が持続します。ピルが合わない方にも使用できることがあります。ご興味のある方は外来医師に相談してください。